探偵のエクリチュール

Fate Grand/Order

2017.12.27発行の同人誌「探偵のエクリチュール」より再録。
モブ×ホームズ、新茶×ホームズ要素あり。

モブがいっぱい出るので、苦手な方はご注意ください。


「ホームズ、どうしたのこんなところで。窓際でぼんやりしているなんて珍しいね」
「何、珍しく晴れているとほかの英霊たちが騒いでいたのでね。どんなものかと見に来たのさ。見てご覧よマスター」
「あ、皆で雪合戦してる」
「実に楽しそうだね」
「……ホームズは参戦しないの?」
「いや、私は遠慮しておくよ。雲行きと現在の気温から考えて、おそらく十分と経たず吹雪始めるからね」
「そんなことまでわかるんだ。探偵ってすごいな」
「それはすごいというより、安堵だ。マスター。君でもコツさえ掴めば、カルデアのような限られた条件の天気を当てることなど、容易いだろう。しかし君は私を〈探偵〉だと知っている。だから、探偵らしく推測を断定口調で話した私と、君が無意識下で求める〈探偵〉の口調が一致して納得しただけに過ぎない。何かを明らかにしたという行為が重視される。究極的には、私が口にする事実のレベルは関係がないんだろう。ある哲学者の言い方を真似するならば、『探偵のエクリチュール』とでも言おうか。私の語りに重要なものは、真実であるかどうか、それが第一だ」
「真実…」
「ああ、そうだマスター。真実の価値の判断は、君自身がきちんと考えて行うことだ。私はそのために、いくらでも力になろう」
「なんだか、オレにはよくわからないな」
「まあ、戯言だと思ってもらって構わない。……ほら、マスター。雪が降ってきた。実に寒そうだ」
「あ、皆、戻ってくる」
「出迎えてやろうか」
「お出迎えしよう」
「はじめに飛び込んでくるのは誰か教えてあげようか」
「えー誰だろう?……待って、オレも考える」
「おや? 探偵の真似事かい?いいとも、よく考えたまえ」

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